ククサを作りたい。
と、つねづね思っていた。
去年は良いコブが見つからなかったり、見つけたとしても作っている途中でこわしたりした。
それでなんだかやる気がなくなってしまっていたんだけれど、このあいだ山でコブだらけのダケカンバの木を見つけることができた。
この木を見たとたんにやる気がふつふつとわいてきた。
ということで、またククサを作ろうと思う。
とってきたコブ。
けっこう大きめ。
まずはコブの皮をとる。
ペリペリとはがれるわけじゃないので、ノミを使ってコンコンはがす。
皮をとったら だいたいの形をきめる。
皮をとる前と後ではコブの形が少し変わるから皮をとってから形を決めたほうが良いと思う。
ククサのくぼみの部分を彫る。
先に外を削るよりも中を彫ったほうがいいみたい。
中を彫るには丸ノミとフックナイフを使う。
フックナイフはモーラナイフ。
コブの中の黒い点が気になるけれど気にせず彫りつづける。
ちょっと調べてみたら、小さいつぶつぶは葡萄杢(ぶどうもく)といって良い物とされているみたい。
ぼくはブツブツで気持ちが悪いなと思っていたんだけれど、そう言われてみれば良いような気がしてきた。
黒い点はわからない。
まあ、これも良い味になるのかな。
中がだいたい彫れたら外側を削る。
大きいコブをとってきてしまったので、まずはノコギリでいらない部分を切りとる。
それからノコヤスリでガリガリと削ったりナイフで切って形をととのえていく。
ヤスリは、木工ヤスリよりもノコヤスリのほうが良い。
ガリガリ削れる。
木工ヤスリはぜんぜん削れなかった。
外側の切りとった素材でスプーンも作ってみた。
模様が良い感じ。
ククサはそれから、ちょっとずつ削っていってコップの形になるまでに3週間くらいかかってしまった。
すると、時間をかけすぎたせいか乾燥が進んで小さいひび割れができてきた。
だから今回はここまでにして、油をぬって完成とした。
使う油はこれ。
一昨年とったクルミ。
まだあまっていたからそれを割って実をつぶしてそのままぬりこんだ。
乾燥が落ち着いてきたらもう少しうすく削ろうかな。
がまんできなくて紅茶をいれてみた。
いいね。